レイラインとは?


聖地とされる小高い丘に登り、周囲を見渡す。
すると目の前に、先ほど訪ねた丘が見える。
さらにその先におぼろに霞んだ丘が見渡せる。
そこも古代から人々に崇められてきた場所だ。
...ふと、不思議なことに気づく。
遠くに見える丘は、目の前の丘と、今、自分が立つ場所を結ぶ
その直線の上に位置している...。
地図で確かめると、直線はどこまでも伸び、
その上には数え切れないほどの「聖地」が並んでいる。
 聖地を結ぶこの直線を「レイライン」と呼ぶ。
いったい、いつ、誰が、何の目的で、大地にこのラインを刻んだのか?
それは、もしかしたら、太古に人類が獲得しながら、
いつしか忘れ去られてしまった叡智を示しているのかもしれない。
我々がその存在を忘却し、しかし、今いちばん必要とされている叡智を...。
「地球は、まだまだ驚きに満ち溢れている」

 レイラインという言葉は、イギリスで生まれたもので、「レイ」とは「光」のこと。光が一直線に進むように、聖地を刺し貫くことからそう呼ばれた。 また、最初にこのラインを発見(再発見)したアマチュア考古学者のアルフレッド・ワトキンスが、ライン上に、 「レイ」という名の付く地名が多いことからそう名づけたともいわれる。

  イギリスでは、ワトキンスの報告以降、レイラインを見つけ出し、そこを訪ねて、太古の歴史を探る「レイラインハンター」たちが多く存在している。 イギリスでは、レイラインの多くは、ケルトあるいはそれ以前の時代にまで遡る遺跡を結んでいるといわれ、 そこには、ストーンヘンジや、ミステリーサークルの出現地なども含まれている

  レイラインは、イギリスの専売特許ではなく、世界各地で、あるいは国の境を越えた長大なラインも報告されている。 もちろん、日本でもいくつもレイラインと思える聖地を結ぶ直線が見つかっている

  日本で代表的なものといえば、奈良の長谷寺、三輪山、桧原神社、国津神社、箸墓が線上に浮かぶ「太陽の道」や「御来光の道」がある。 「御来光の道」は、春分の日と秋分の日に、太平洋から登った曙光が貫くレイラインで、 その線上には、千葉県の上総一の宮、神奈川の寒川神社、静岡の富士浅間神社、富士山頂、日蓮宗の霊山として名高い七面山、 琵琶湖の中に浮かぶ竹生島、大山、出雲大社の北に位置する日御崎神社と、名だたる聖地が並ぶ。

  レイラインの多くは、春分の日や秋分の日、冬至、夏至といった日の太陽に関係している。 そのことから、これは太古の人たちが暦として利用したのではないかといった説もある。 だが、「御来光の道」では、人間が築きようもない自然地形が多く含まれる上に、規模が大きすぎて、「暦」説には当てはまらないだろう。 

 日本国内でレイラインと考えられるものは、他にも多数ある。中には、北斗七星の形に聖地が配列されていたり、 鬼門や裏鬼門、四神相応を連想させる配置など、陰陽道や風水の影響を受けていると思われるものも多い。 陰陽道や風水といったものは、太古からのプリミティヴな信仰を経験則に基づいて体系化していったものだから、根を辿れば、他のレイラインと共通する部分も多いはずだ

太平洋岸の千葉県上総一の宮玉前神社から
出雲の日御崎神社までを結ぶ「ご来光の道」
この線上には数々の聖地が並ぶ






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