2002.05.19 ドラゴンプロジェクト


 レイラインハンティングの本場イギリスでは、60年代から「レイハンター」という雑誌が創刊され、レイハンター(イギリスではそう呼称する)のコミュニティとして機能すると同時に、一般向けに、イギリス国内はもとより海外のレイラインの探索レポートなども紹介されている。そのレイハンター誌が中心になって、70年代初頭から科学界を巻き込んで行われたのが、レイラインを科学的に検証するという「ドラゴンプロジェクト」だ。

 レイラインは、古来から「聖地」とされてきた場所や教会など宗教関連の施設が置かれている場所を結ぶと、直線が現われたり、星座の形になったりするものだが、その個々の「聖地」とラインを地質や電磁波、放射能などから分析してみようというのが、ドラゴンプロジェクトだった。

 その結果、レイラインは活断層に沿って伸びていたり、聖地では地磁気や重力の異常、埋蔵鉱物からの放射線が多いことがわかった。最近の脳生理学の研究で、磁気が脳に感覚異常を起こし、幻覚や幻聴を引き起こすこともわかっている。「聖地」、「パワースポット」と呼ばれる場所は、そこで奇跡を経験したり、神が降臨するような幻像を見たことが発端になって、特殊な場所として差別化されることがほとんどだが、それも、かなり科学的な説明がつくようになったわけだ。

 だが、人間が、土地の持つ磁気などの力の影響で幻覚を見るという原理はわかったものの、その場で誰もが同じような幻覚を見たり、その体験によって、スピリチュアルな意識が目覚めて、ときにはそれまでの人生と大きく異なる人生を歩き始める人が多いといったことまでは説明しきれていない。また、単なる幻覚ではなく、異常な発光現象やUFO、クロップサークルなど、客観的に観察できる現象が起こることの説明も完全にはなされていまなかった。

 そこで、90年代から21世紀に入り、「ドラゴンプロジェクト」は、新しいフェーズに入った。「ドリームワークプログラム」と名づけられたそれは、磁気異常などが顕著に見られる聖地やレイラインに、「ドリーマー」と呼ばれるボランティアに、しばらく滞在してもらい、そこで見た夢やビジョンを克明に報告してもらうというもの。

 その成果もどんどん現われてきていて、中には、近未来を予知する夢なども多く報告されているという。まさに、いったん科学的な説明がついた先に、もっと深い謎が現われてきたというわけだ。

 じつは、ぼくが日本でやりたいと思っていることも、それにとてもよく似ている。太古の日本に、精密な測量技術を持ち、現代に住むぼくたちにとって未知の大地のエネルギーの存在とその利用法を知っていた人間がいたことは、デジタルマップのシミュレーションで確信できる。だけど、実際に、どんな感覚を持ち、何を意図していたのかは、実際に足を運んでみなければわからない。

 自分の足でレイラインに立ち、そこで感覚を開放してやると、様々なビジョンやインスピレーションがわきあがってくる。そして、大地=地球と自分は一体不可分のものであることがわかる。ときには、イメージだけでなく、説明できない不可思議な現象に出会うこともある。

 たとえば、御嶽山のある霊場を訪ねたときは、途中で道を失ったぼくの前に一匹のコウモリが現れ、ずっと先導してくれた。元伊勢を訪ねたときは、危うく落石で命を落としそうになり、さらにデジカメの不調、オートバイの不調に次々に見舞われた。そんな体験をすると、例えば、神武東征神話では、道先案内に八咫烏が現れたとされるが、それが単なる寓話ではなく、リアリティを持って感じられる。

 ぼくがレイラインハンティングでやりたいことは、単に「レイライン」という太古の人々が利用していた不思議な道を見つけるだけでなく、今でも機能しているそのレイラインに出掛け、その力が、自分にどんな体験をもたらし、自分がどう変化していくのか、実践していきたいのだ。

 

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