息栖から鹿島神宮へは、トライアングルのこの二社を結ぶ線にほぼ並行して国道124号線が南北に通っている。
昔、同じように富士浅間神社から神奈川の寒川神社を結ぶレイラインを辿ったことがあった。
そのときは、旧国道246号線がほぼそのラインに沿っていたことをみつけ、同時に、その沿道には神社仏閣がやたらに多いことに気づいた。
もしかしたら、今回も124の元の街道を辿れば、何か発見があるかもしれないと思ったが、それよりもデジタルマップで見つけたある神社が気になっていたので、
川岸のほうを北上してみることにした。
息栖神社から北西のほうへしばらく向かうと、八竜神社がある、さらにその少し先には水神社、
水神社から北東のほうには青龍神社、外浪逆浦を挟んで北には常願神社、西には水神社がある。常願神社の由来はわからないが、
その他の神社は、いずれも水の神「竜」を鎮めるための神社であることは歴然としている。
たとえば、東西の水神社と北の常願神社を結ぶと、ほぼ正三角形と呼べる形ができる。
それは、鹿島トライアングルのほぼ中央にきれいに収まっている。風水でも陰陽道でも、
方位や形をとても重視する。それがまた入れ子状の相似形を成すということは、そこに込められた力を大幅に増幅するといわれている。
この形を描いてみて、じつは、鹿島トライアングルは、その内側に、何か大きな荒ぶる力を閉じ込めるために配置されたのではないかと思えたのだ。
それは、まさに地震を引き起こす大鯰に象徴される力であり、水神である竜なのかもしれない。
実際に、水神社に訪れてみると、そこは由来も何も記されていない、小さな社だった。しかも、新しい堤防の内側に、
きれいなコンクリートの階段のアプローチが設けられているので、護岸工事で、元の場所から移された可能性が高い。
一方、息栖神社にほどちかい八竜神社も訪ねたが、こちらは、創建が元禄元年(1866)と、比較的新しい神社だった。
ただ、この神社は、背後に「屋敷森遺跡」という縄文時代の遺跡の森を背負っていて、何かとても深いものを感じさせる。
あくまでも印象にすぎないが、この神社は、水神を祭ると同時に、屋敷森遺跡にまつわる何かを鎮守しているように思えた。
鹿島トライアングルの中に現れた正三角形。二つの「水神社」と「常願神社」を結ぶラインだ。水神=竜と関係するのだろう。鹿島トライアングルは、鯰=地震を押さえているといわれるから、ここは、二重にマジカルな力が働いているのかもしれない |
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縄文時代の遺跡「屋敷森遺跡」を背負う「八竜神社」と、川岸にひっそりと佇む「水神社」 |