■
「アメリカ自然思想の源流」■
『アメリカ自然思想の源流』は、ソローをコアにして、オーデュボン、エマソン、
ミューア、カソーンと いう人物の生涯を見つめることで、
アメリカ独自の自然思想が形成されていく過程を追っている…
■ 「ダライラマ」■
昨日は、ネパールを大きな地震が襲ったが、ちょうどその朝、チベット仏教のこと
など考えていた。
先日、ダライラマが「転生活仏」という制度を自分の代で終わりにすると発表して、波紋を呼んだ。長年続く伝統に終止符
を打つというのは、大きな勇気が必要だ。転生活仏という制度に便乗した利権も多いから、当然、大き
な抵抗もあるだろう…
■ 「自然体」■
昨夜は、何に当たったのか、夜中に吐き気を催してすっとトイレから離れられな
かった。明け方になって
ようやく落ち着いて、少し仮眠し、早朝からツリーイングのイベント会場へ向かった…
■ 「柳ジョージ」■
柳ジョージの曲を数日前に久しぶりに耳にして、とても懐かしくなり、古いアルバ
ムを引っ張り出した
り、Youtubeに転がっていたライブを見つけたりして、毎晩、一人で酒を飲みながら聴いている…
■ 「ミキ=神酒」■
数ヶ月前、新橋の沖縄料理の居酒屋で友人と酒を飲んでいて、なぜかコーヒー牛乳
の話になった。
「銭湯行ったら、風呂あがりには、やっぱりコーヒー牛乳だよな」と、昔日を懐かしんで盛り上がっていると、店の女将が、
「沖縄では、風呂あがりにはミキさぁ」と、話に割り込んできた…
■ 「祝詞の世界観」■
地方へ出かけるとき、カバンの中に祝詞の全集を入れていく。
全集と言っても、ナローサイズの手帳くらいの大きさで、厚さは1センチほど。バッグのポケットに入れておいても邪魔にな
らない。
中には、大祓祝詞から各種の祭文、般若心経まで80篇あまりが収められている。これを静かな場所で、パラパラとめくっ
て、小さく口ずさむ…
■
「聖地学講座第67回「大己貴と少彦名」配信」■
大国主には、たくさんの異名があります。『古事記』では、大穴牟遅(おおなむ
ち)、葦原色許男(あし
はらのしこお)、八千矛神、宇都志国玉神などと呼ばれ、『日本書紀』では、大己貴(おおなむち)、大物主、大国玉などの
名が見られます。また、『出雲国風土記』では所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)と表現
されています…
■
「聖地学講座第66回「キリスト教神秘主義の暗号」配信」■
そもそもキリスト教を生み出す母体となったユダヤ教が古代エジプトの宗教習慣を
色濃く残すもので、ユ
ダヤ神秘主義の根幹を形作るカバラ思想におけるセフィロトと呼ばれる10の階梯は、古代エジプトのファラオの10の特性
に対応したものでした…
■
「聖地学講座第65回「聖地にまつわる暗号」配信」■
この3月2日は、春の恒例となった「若狭お水送りと不老不死伝説ツアー」を開催
しました。前日の深夜
まで降っていた冷たい雨は、当日の朝には上がり、夕方の神事の始まりの頃には雲間から月と星が顔を覗かせました…
■
「聖地学講座第64回「ヤマトタケルとレイライン」配信」■
琵琶湖の東岸に凛とした姿を見せる伊吹山は、日本百名山にも数えられ、その山頂
からは琵琶湖から比叡
の山々、大津の平野、関ヶ原方面まで見渡せます。その一角に、ヤマトタケルの像が立っています…
■
「『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ)」■
真に根源的な問題は、淡々と語られなければならない。抑制された言葉遣いで淡々
と語られるからこそ、 心の奥の奥まで染みこんでくる。
『日の名残り』の執事も、淡々としているからこそ、その思いの深さに震えるほど共感できた…
■ 「4th
wave?」■
つい三日前は庭一面を霜柱が覆っていたのに、今朝は打って変わって、今にもうぐ
いすの鳴き声が聞こえ てきそうな小春日和の朝になった。
表の空気を吸いながらモーニングコーヒーを一杯と思ったら、焙煎しておいた豆が切れていた。そこで、ガソリンストーブ
を外のタタキの上に置いて、豆を焙煎することにした…
■ 「工作舎物語
--眠りたくなかった時代--」■
80年代の終盤、一冊の本を造った。オートバイツーリングの世界の魅力を語りつ
つ、日本のフィールド でキャンプして自然と親しむ方法論をまとめたものだった。
当時としてはまだ珍しかったフルDTPで制作したもので、デザイナーは日本で初めて本格的にエディトリアルデザインに
DTPを取り入れた戸田ツトムさんだった…
■ 「霜柱の記憶」■
今朝は、底冷えがするなと思って雨戸を開けてみたら、地面を立派な霜柱の絨毯が
覆っていた。思わず、 サンダルを突っかけて飛び出し、サクサクと踏みしめた。
子供の頃の冬の朝は、祖母が作る小さな畑の一番端の畝に植えられたニラを取りに行くのが日課だった。一掴みのニラを祖
母に渡すと、それは朝餉の味噌汁の具になった…
■
「聖地学講座第63回「三嶋神をめぐるミッシングリンク」配信」■
大山祗神社が鎮座する愛媛県の大三島は国宝の島としても有名です。大山祗神社に
奉納されている国宝の
大半は刀剣や甲冑などの武具です。第二次大戦後、GHQがあまりの数の多さに、一部だけ残して処分するように命令しまし
たが、大山祇神社では、地中に隠して徴収の難を逃れたという逸話があります…
■
「笑顔を広めるために」■
昨日は、祖母の命日だった。
明治30年生まれの祖母は、24年前に亡くなったが、その生涯のほとんどの期間、日本は戦争に明け暮れていた。
日清戦争、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争。だから、祖母は、平和に暮らせることがどれだけ幸せ
なことなのか、いつも
話していた。30数年前の彼岸、祖母と二人で先祖の墓参りに行き、穏やかな日和だったので霊園の中を散歩した…
■
「「楽天的な気持ちで生きる」ということと「楽天的に生きる」ということ」■
昨日も、今日も、明日も、淡々と同じような日常を生きているように感じていて
も、つねに万物は変化し
ていく。時々、予想もつかない出来事が降って湧くことで、自分が激しい変化の中に生きているということを思い出さされ
る…
■
「聖地学講座第62回「京都の水神」配信」■
上賀茂神社と下鴨神社は山城国と呼ばれたこの地方の氏神であり、渡来民秦氏の信
仰する神社ですから、
その素性ははっきりしています。ところが、比叡山、鞍馬山、貴船神社となると由来そのものが謎に包まれている部分があ
り、とたんに「怪しい」場所となります…
■
「上賀茂神社とのご縁」■
昨日は、京都の中京西部医師会の招待で、40人あまりの先生方を前にレイライン
と京都の結界について 話をさせていただいた。
医学というリアルサイエンスに関わられる方々ながら、さすが京都という土地柄か、みなさんとても日本の歴史や文化に詳
しく、こちらが勉強させていただくことのほうが多いくらいで恐縮してしまった…
■
「聖地学講座第61回「次元の呪いとパターン認識」配信」■
今回のテーマである「パターン認識」は、数学や情報工学の用語です。一見ランダ
ムに見えるビッグデー
タの中からある規則性=パターンを抽出して、分析の精度を高めたり、変化の予測を立てるものです…
■ 「帰るべき場所」■
誰もいない乗換駅のホームで、コートの襟に首を埋め、長い間電車を待っていた。
寒さで手がかじかんでしまうので、本を読むこともできず、ぼんやりと駅を取り巻くようにして建つ
ベッドタウンの家々の
明かりを眺めていた。そのうち、ふと、自分はいったいどこへ行こうとしているのだろうと思った…
■ 朔旦冬至 ■
昨日は冬至の夕暮れを伊豆下田の白濱神社で迎えた。この神社は参道が夏至の日の出と冬至の日の
入を結んだ線に沿い、本殿から見ると、冬至の太陽は参道の先に沈んでいく。縄文時代は太陽信仰が盛んだったことがわかっ
ているが、白濱神社本殿の裏手には縄文の祭祀遺跡である火達山遺跡があり、今の神社もその形態に太
古の信仰を受け継いで いることがわかる。…
■
聖地学講座第60回「神との対話--奉納舞--」配信 ■
先日、福島県いわき市にある「スパリゾート・ハワイアンズ」に伺いました。映画「フラガール」のプ
ロデュースや環太平洋
諸国の代表を招いたシンポジウムの開催、さらに様々なイベントを企画して、スパリゾート・ハワイアンズを盛り上げてきた
総支配人の若松貴司さんにご招待いただいて、施設やいわき市内のポイントを視察しました…
■
聖地学講座第59回「冬至のポイント」配信 ■
11月1日が冬至の日に当たる年が朔旦冬至の年ですが、それを出発点として、毎年ズレていき、19
年目には11月を外れ
てしまいます。そこで19年めの冬至の日を11月1日としてカウントし直すのです。旧暦では19年に一度、暦が刷新され
るわけです。その基準点である朔旦冬至は冬至の中でも特別な日とされるのです…
■ お守りの力 ■
昨年のちょうどいまごろ、久しぶりに帰省したら、母からふいにお守りを渡された。母とぼくが、ちょ
うど同じ星の巡りの悪
い年に当たるので、自分のお祓いに行ったついでにぼくの分のお守りも買ってきたのだという。それをこの一年間、普段持ち
歩く手帳のポケットに入れておいた…
■
聖地学講座第58回「謎の職能集団」配信 ■
古代から中世にかけての日本史を紐解くと、朝廷や地方豪族、さらには戦国武将や幕府の影で、彼らの
富を支えていた特別な
技能集団がいたことに気づきます。たとえば、奥州藤原氏は朝廷に莫大な金を献上し、さらに自ら北東北に「黄金文化」の独
立王国を築いていましたが、この栄華を支えたのは「金掘り」と呼ばれる鉱山開発のエキスパートたち
でした…
■
伊豆急レイラインツアー第三弾 下田・南伊豆冬至ツアー ■
伊豆半島の聖地は、熱海の伊豆山を中心とする修験道系、やはり熱海の来宮神社を中心とする来迎神も
しくは漂泊神系、さら
に三嶋大社を中心とする太陽・火山信仰系の三種類に大別できます。これら三つの信仰をバックボーンとした聖地が、半島全
体、特に東海岸に多く点在しています…
■
聖地学講座第57回「聖地が都市になる--聖都の成り立ち--」配信 ■
二ヶ月ほど前、イギリスのストーンヘンジ周辺の地下に巨大な遺跡が17ヶ所以上眠っているという
ニュースが報道されまし
た。この発見は、イギリスのバーミンガム大学とオーストリアのルートビッヒ・ボルツマン研究所との合同調査で、地下レー
ダーや高解像度磁気探査機などを使い、地下約3メートルの状態を3Dマッピングする4年がかりのプ
ロジェクト「ストーン ヘンジ地中景観プロジェクト」(Stonehenge Hidden
Landscape Project)の成果でした…
■ 火山信仰の起源 ■
日本では、古くから火山噴火を「御神火」と呼んできました。人智の及ばない神の領域に属する火は、
先の御嶽山のような災
害ももたらしますが、降り積もった火山灰は、長い年月が経つと養分をたっぷりと含んだ土となり、豊かな農作物を育み、ま
た富士山麓の青木ヶ原樹海のような樹林更新が行われて、多くの動物を養い、さらには溶岩によって川
を堰き止めてできた湖
には魚が泳ぐようになり、雨水は山体に浸透して、広大な山麓に清水となって溢れ出します。それから、温泉も火山がもたら
す恵みの一つですね…
■ 鎌倉の哀しき怨霊 ■
頼朝といえば、実の弟である義経の人気に嫉妬し、これを討ち取らせたり、義経の後ろ盾だった奥州藤
原氏を討滅したり、ま
た、自身は妻の北条政子に頭があがらず、政治の実権は妻の実家である北条氏に握られるといった、ネガティヴなイメージば
かりが伝えられている…
■
聖地学講座第55回『江戸の風水とレイライン』配信 ■
1603年、徳川家康は江戸に幕府を開きます。その頃の江戸は、太
田道灌が江戸開府の150年前に築城した江戸城を中心にして、その
周辺に寺社や武士の住まいと練兵場がある程度のこじんまりした規
模の街でした。江戸城の東は湿地帯が広がり、その先は海で、南北
と西側には荒野が広がっていました。
京の都から見れば僻遠の地ともいえるこんな場所に家康が幕府を
開いたのは、そこが朝廷の力が及びにくい場所であると同時に、か
つて朝廷に反旗を翻した平将門が眠る土地だったからでした…
■
聖地学講座第54回『歴史都市伝説』配信 ■
聖地やレイラインについて論理的に深く掘り下げていくのが普段の私のスタンスですが、あまり理屈を
捏ねずに、軽いノリで
井戸端会議のように扱うのもまた楽しいものだと感じました。「歴史都市伝説」というタイトルは、そんな番組の雰囲気によ
くマッチしていました。また、このタイトルのおかげで出演者のみんなが肩肘張らずに話を膨らませら
れ、これをつけたス タッフのセンスに感心しました…
■
聖地学講座第53回『地名について』配信 ■
名峰白馬岳(しろうまだけ)の麓に広がる町は白馬(はくば)と呼ばれますが、この地名は、代掻きの
季節になると山肌に現
れる馬の形があり、それを目印に農作業が行われ、その馬の形が「代馬(しろうま)」と呼ばれていたのが語源でした。時が
経つうちに、「しろうま」という呼び名に「白馬」という漢字が当てられるようになり、そのうち、山
は「しろうまだけ」な
のに、町の呼び名は「はくば」という、ちぐはぐな状態が定着してしまいました…
■
聖地学講座第52回『徒然の話』配信 ■
私は、以前この講座で、石舞台古墳がピラミッド様の形状をしていると解説しました。今見られる石組
みは、ピラミッドの玄
室のようなもので、かつては、その周囲は石を積み上げられたピラミッドではなかったか、あるいは土を盛った外側に石を積
み上げた外壁を持っていたのではなかったかと推測しました…
■
蘇我稲目の墓、石舞台古墳とピラミッド ■
明日香でピラミッド状の古墳が見つかり、これが蘇我氏の礎を築いた蘇我稲目の墓ではないかと伝えて
いる。さらに、近くに
ある石舞台古墳は、蘇我馬子の墓と推定されているが、このピラミッドが稲目の墓とすれば、石舞台が馬子の墓である可能性
が一段と高まるとする…
■
聖地学講座第51回『ヌミノーゼと土地』配信 ■
煎じ詰めれば、キリスト教もユダヤ教もイスラム教も、そして仏教や神道も「自然現象に対する畏怖」
という同じ根っこから
成長したものです。ところが、それぞれの宗教の「神」は違った形のものとなり、今のキリスト教社会とイスラム原理主義と
の戦いのように、極端に排他的な位相に置かれてしまったりもします…
■ アベルの血 ■
"アベル"は、『息』や『蒸気』を意味するヘブライ語の"へベル"に由来している。これは、彼自身
の命も含め、生き、動
き、はかなく消えるもの全般を表す。"カイン"の語源は"カナー"という動詞とされており、この語には「獲得する」、
「手に入れる」、「財産を所有する」のほか、「支配する」、「征服する」という意味もある…
■聖地学講座第50回『太
陽の道の聖地』配信 ■
この13日は、伊豆急主催のレイラインツアー第二弾が開催され、一日、アテンドしてきました。今回
のコースは、この講座
でも紹介した大室山、八幡宮来宮神社、城ヶ崎海岸をメインに、火山活動によって形作られた伊豆の大地から沸き上がる力の
痕跡を皆さんに体感していただき、また、その大地の力への畏怖の表現ともいえる、地蔵や神社社殿の
配置について、GPS を使って、詳細な解説をさせていただきました…
■
聖地学講座第49回『箸墓と邪馬台国』配信 ■
同志社大学で長く教鞭をとられていた地質学の中川要之助博士は、
近畿の巨大古墳が活断層上に並んでいることを発見しましたが、も
しかすると、断層の向きに沿って方位が決められているものもある かもしれません。
この、奈良盆地の巨大古墳の向きの謎は、いずれ現地に赴いて、
宮谷さんをはじめ先学の教えを請いながら、実地調査をして解明し てみたいと思っています…
■
聖地学講座第48回『「場所」の意味』配信 ■
聖地についての言説では、しばしば「トポス」や「トポロジー」という言葉が用いられます。両者とも
純粋な意味では数学用
語で、トポスは特定の位相の中に占める層を指し、トポロジーは位相を研究する学問を指しますが、アリストテレスは、トポ
スを論理学における「定石」の意味でも用いました…
■
聖地学講座第46回『蛇信仰と聖地』配信 ■
日本に限らず、世界中に蛇にまつわる神話や信仰はたくさんあります。
アステカでは、ケツァルコアトルという羽毛を持つ蛇が農耕神として祀られ、マヤでもククルカンと呼ばれ、最高神の一つ
とされていました。メキシコ中部のチチェン・イッツァのピラミッドでは、春分と秋分の日に太陽の光
がククルカンの姿を浮 かび上がらせ、春分には種まきの時期を、秋分には収穫の時期を知らせます…
■ みつばちの大地 ■
利根川にほど近く、北東に赤城山が迫る長閑な田舎に祖母の実家はあり、当時は、祖母の甥夫婦がその
家を継いでいた。祖母 の甥は、数年前に地元の役場を定年退職して、養蜂家に転じていた…
■ 風の盟友 ■
ウルトラランニングの火付け役となった『Born to
Run 走るために生まれた』では、メキシコの荒れた山岳地帯に住むタラウマラ族のありえない距離を走る習俗から、長距離を走るという行為が、人間に本来備わった特性であ
ることを説く。後に、作者のクリストファー・マクドゥーガルが、タラウマラ族は、カルロス・カスタ
ネダが「ヤキ族」とし て紹介した民族のことだと明らかにした…
■
『レイラインハンター日記 2010 - 2008』 ■
2008年は、「リーマンショック」の年だった。
アメリカで始まったこの金融破綻が、世界に広まり、ヨーロッパも日本も泥沼の不況へと落ち込むきっかけとなった。この
とき、中国だけが世界の趨勢に反する大幅な財政支出を行う賭けに出て、一気に世界第二位の経済大国
へと踊りだす…
■
『レイラインハンター日記 2013 - 2011』 ■
あたりまえに自然を敬い あたりまえに自然を畏れ あたりまえに自然に感謝する そして、
自らがその自然の一部であることを 日々実感して生きること また、そこからやりなおそう…
■
聖地学講座第45回『出会いやら計画やら』配信 ■
前々回配信の「砂漠の文明」の中で、私は砂漠の砂の中に、全て
の文明の「母文明」とも言えるような文明が、いまだにひっそりと
埋もれているのではないかと書きました。さらに、前回取り上げた
徐福も、その遠い祖先は、失われた母文明の担い手ではなかっただ ろうかと考えました…
■ 玉鋼 ■
たたら製鉄は、ありふれた原料である砂鉄と木炭を使って、貴金属ともいえる玉鋼を生み出すため、錬
金術的な妖しい魅力を 持ってい る。
三昼夜に渡って焚かれた火が落とされると、炉の中にはケラと呼ばれる塊が残る。ケラは金偏に母で、文字通り「鉄の母」だ…
■
聖地学講座第44回『徐福伝説再考』 ■
『史記』「秦始皇本紀」には、秦始皇28年(BC219)年の項に、「すでに、斉人徐市(福)ら上
書し、海中に三神山あ りという。
名を蓬莱、方丈、瀛洲(えいしゅう)といい、仙人ここに居す。身を清めて童男女とともにこれを求めんことを請う。
そこで、徐市と童男女数千人を海に出し、仙人に求めさせた」とあります…
■ Kindle出版 ■
「これからは電子書籍の時代になる」と騒がれたのは、もう5、6年前のことになる。アマゾンが発売
したKindle端末 に何百、
何千冊も書籍データをダウンロードしておけば、どんな場所でも手軽に読書ができる。
その自由な読書スタイルは、アメリカではすぐに受け入れられ、電子出版が一気に普及した…
■ 本質的なこと ■
明治末から第二次大戦の終戦間近まで、中国に日本が持っていた権益の象徴ともいえる南満州鉄道(満
鉄)があった。 そして、その中に「満鉄調査部」と呼ばれる一種のシンクタンクがあった…
■
聖地学講座第43回『砂漠の文明』 ■
タクラマカン砂漠の「タクラマカン」とは、ウイグル語の「タッキリ・マカン」、「この場所に入った
ら二度と出ることがで きない」という意味です。
また、「トカラ人の住む場所」というアラビア語起源の言葉がチュルク系のウイグル語に訛って、意味が置き換わったという説もあります…
■
聖地学講座第42回『奥出雲の神話と聖地ネットワーク』 ■
広島県と境を接する奥出雲町は、古代のタタラ製鉄の土地として有名で、宮﨑駿の「もののけ姫」に登
場するタタラ場のモデ ルとさ れた場所でもあります…
■
聖地学講座第41回『水と聖地』 ■
十一面観音は水の仏であることも特徴の一つで、左手に水瓶を持ち、この中に満たされた聖水が、衆生
の煩悩を洗い清め、 現世利益と極楽往生、さらに明知をもたらすとされました…
■
聖地学講座第40回「大雪にまつわる徒然」 ■
今から1000年あまり前、ちょうど3.11と震源を同じくする同じ規模の貞観地震が東日本を襲い
ましたが、その前後 も、大きな気候変
動と自然災害が続く時代でした。奈良から平安時代にかけてのこの時代には、自然災害は荒ぶる神々の祟りであると考えら
れ…
■
常識や習慣に囚われて、進む方向を見失ったとき ■
物事がにっちもさっちもいかなくなったとき、自分の「こだわり」を一度捨ててみることにしている。
これだけは譲れないというこだわりも、あのメキシコの砂漠で悟った一瞬を思い出して、冷めた目で見
つめなおしてみる…
■
聖地学講座第39回『秦氏の痕跡』 ■
ふだんは、滅多に出会わない里の民と山の民が、峠ではしばしば出会うことになり、里の民からすれば
考えられないスピード
で山を駆け抜けていく山の民は、とても人とは思えず、それが天狗や物の怪の伝承に繋がっていきます…
■
聖地学講座第38回「風切地蔵から秦氏へ」■
10年前、「風切地蔵」というものが白馬にあるという話を友人の山岳カメラマンから聞き、さっそく
現地に入って調べ始め
ましたが、詳しく知っている人には、なかなか辿り着くことができませんでした。そんなあるとき、WEBに発表していた風
切地蔵の話を見つけて連絡をくれたのがSさんでした…
■
聖地学講座第37回「草木国土悉皆成仏」■
この講座でも何度かテーマとして取り上げましたが、昨年は東伊豆に点在する聖地を集中的に取材しま
した。その仕事を通し
て、伊豆半島の地質学的な成り立ちや、縄文人たちの価値観、そして渡来民たちが日本の国土で探し続けた不老不死の秘密な
どを明確に理解することが出来ました。「聖地」という構造の中に、それを設計した古代人が後世に伝
えようとした情報が たっぷり詰まっています…
■ 流転■
2013年がもうすぐ暮れようとしている。この一年を振り返えって一言で表すならば、「流転」とい
う言葉がいちばんふさ
わしいかもしれない。春から夏、そして秋にかけては、やりがいのある仕事に取り組み、仕事に生きがいを持つ素晴らしい人
達とたくさん出会えた。また、久しぶりに長い一人旅をして、自分が今ライフワークにしているレイラ
インハンティングのそ もそもの出発点だった、土地に潜む個性に魅せられた若い頃を思い出した…
■ 『神の火を制御せよ』■
1957年にノーベル賞作家パール・バックが著したこの小説は、50年後の2007年になって、よ
うやく日本語訳が出版
された。第二次大戦末期、ドイツが原爆開発を進めているという情報を亡命科学者たちがもたらし、アメリカは危機感を持
つ。そして、あのマンハッタン計画がニューメキシコの砂漠の真ん中ロスアラモスでスタートを切る…
■
聖地学講座vol.36「聖なる方位」■
中沢新一は『大阪アースダイバー』の中で、大阪の中心街の構造は南北に走る「筋」と東西に走る「通
り」が整然とした軸線
を構成していて、京都の町並みの構成を考えれば、ごく当たり前の都市計画のように見えるけれど、大阪は南北軸よりも東西
軸が強い特殊な構造をしているのだと記しています…
■ 『光圀伝』■
郷里が水戸に近いこともあり、子供の頃から水戸光圀という人間に漠然とした崇敬を感じていた。幕府
にあっては辛口のご意
見番で、将軍にも平気で苦言を呈し、領地にあっては殖産興業の開発や水利事業の推進、文武両道の学校政策、西山荘に隠居
後は身分の隔てなく領民と接して自ら米作りや野菜作りに精を出し、うどんを打って隠居所を訪れる人
にふるまった。そし て、何よりあの大日本史という大文化事業を行った…
■ 自殺■
前回と前々回のエントリーを読み返してみて、我ながら妙に感傷的になっているなあと感じた。晩秋の
今の季節感が感傷を誘
うのか、それとも何か自分に固有の感情の周期でもあるのかと思って、過去のブログのエントリーやOBTサイトで綴ってい
たコラムを読み返してみた。すると、ちょうど10年前の11月11日に『自殺』というタイトルのコ
ラムを書いているのを 見つけた…
■
丁寧に生きるということ■
いまさらながら、自戒の念を持ちながら「丁寧に生きる」ということを考えている。丁寧に生きると
は、ひとつひとつの物事
に丁寧に取り組んで生きるということ。誠実に生きるということでもあるけれど、誠実さは意識する姿勢であって、丁寧は必
ずしも意識はともなわない習い性ともいえるようなスタイルも含んでいる…
■ 物語■
この一週間ほど呻吟していた企画が、ようやく自信の持てる形になった。いちばん苦労したのは、柱と
なる物語だった。情報
を集めることは誰にでもできる。昔は、レアな情報を探すなら国会図書館に通い、通俗的な情報なら大宅文庫あたりに通って
地道に探さなければならなかったし、そのための手間も費用も必要だったが、今はネットのおかげで、
あるテーマのアウトラ インを掴む程度の情報は検索ですぐに探せるようになった…
■ 聖地学講座
vol.33 「鎌倉大仏の謎」配信■
非常にポピュラーで、誰でもその名を知っているし、実際にそれを見たこともある人が大勢いるのに、
では、それがどのよう
な意図を持って、いつ誰が作ったのかが皆目謎なものというのがけっこうあります。前々回のテーマに取り上げた出雲大社も
しかり、そして、今回ご紹介する鎌倉の大仏もその代表的なものです…
■ 神々しさ■
晩秋から冬へ向かっていく今時分の山が好きだ。麓が紅葉で燃え上がり、森林限界を越えた岩峰は、鉛
のように重い岩盤を剥
き出しにしたかと思うと、雪雲のベールに隠されて、それが晴れると薄い雪化粧を見せる。さらに何度か雪雲が通り過ぎる
と、無垢の白さの雪山となる…
■聖地学講座vol.32
「遍路・巡礼の意味」配信■
先週の半ば、「讃岐七箇所参り」に行ってきました。これは、四国霊場八十八箇所のうち、香川県丸亀
市にある71番から
77番までの七箇所の札所を巡拝するもので、71番弥谷寺は大黒天、72番曼荼羅寺は福禄寿、73番出釈迦寺は恵比寿、
74番甲山寺は毘沙門天、75番善通寺は布袋尊、76番金倉寺は弁財天、77番道隆寺は寿老人と、
それぞれ七福神の一柱 が祀られています。…
■100年前の看護婦免許■
今年の夏はお盆に帰省できず、まともな墓参りもしばらくしていなかったので、秋の彼岸に久しぶりに
帰省することにした。 実家に着いて、仏壇に線香を備えようとしたが、ロウソクが見つからない…
■土地との対話■
例えば、谷間の道を行く途中に褶曲した地層を見つけて、「これを古代の人たちなら、魔物が通り過ぎ
た跡だと見ただろう
な」と思い、近づいてみると、そこには古い祠が意味ありげに佇んでいる。たまたま通りかかった老人にその祠のことを聞く
と、役行者が魔物を封じ込めたという言い伝えを教えてくれた…
■水銀と聖地(聖地学講座
第28回より抜粋)■
レイラインハンティングでは、GPSやデジタルマップ以外にも、磁力計(磁場の強さを測る)、ガイ
ガーカウンターなども
使用することを以前に紹介したが、先日、伊豆の取材で頻繁に磁力計が異常値を示す現象が現れた…
■聖地学講座第27回「人
間の可能性について」 配信■
自然の中にいると、何か得体の知れない存在が身近にあるように感じることがあります。それは言葉と
して具体的には表象で きない何事かを伝えようとしてる…そんなふうに思えるのです…
■伊豆のミステリー:五智
如来地蔵■
伊豆を代表する風景の一つに、大室山がある。ぼくと同じウルトラマン世代なら、ヒドラが生まれた山
といえばすぐにピンと
くるかもしれない。毎年、山焼されて丈の低い草が覆う山体は、巨大な丼を伏せて置いたようで、ひときわ目を引く…
■【聖地学講座第23回】
『伊豆の聖地』配信■
伊豆半島の聖地は、熱海の伊豆山を中心とする修験道系、やはり熱海の来宮神社を中心とする来迎神も
しくは漂泊神系、さら に三嶋大社を中心とする太陽・火山信仰系の三種類に大別できます…
■新しい知識を得る楽しさ
とシンクロニシティ■
伊豆に移り住んだ現代絵画作家の谷川晃一氏の『土地から空へ』では、伊豆の植生に熱帯の濃密な自然
を感じたり、この土地
の特別な「磁力」が創作のインスピレーションを与えてくれると、アーティストらしい感性で伊豆の自然環境を解説してい
る…
■シャンバラ幻想■
古来から、人間はこの世のどこかに何の憂いもなく豊かに永遠に生きられる場所があると信じてきまし
た。仏教の西方浄土や 補陀
落浄土、道教に見られる仙境や桃源郷、ユダヤ教のエデンの園、神秘主義に言われるアガルタ……、浦島太郎が行った竜宮城などもそうした理想郷の一つといえます…
■加賀様の隠し路■
柳田は、この「加賀様の隠し路」を実際に調査することはできずに終わり、柳田がこの一文を記したと
きからは、もう長い時
間が経ってしまったが、まだ、秩父には手がかりが残っていると思う。秩父は朝廷と深い関係にあったり、秩父霊場が古くに
整備されたりしたため、古い資料や文物が今でも豊富に残されている…
■鎌倉フィールドワーク■
先週末は朝日カルチャーセンター湘南教室の野外講座で、鎌倉の鶴岡八幡宮から鎌倉宮の周辺を巡りま
したが、ちょうど桜が ピークを迎え、若宮大路は人でごった返していました…
■聖地学講座第18回「伊
豆東海岸フィールド ワーク その1」配信■
昔の人たちがある土地を聖別し、そこにランドマークを置き、さらに聖地のネットワークを築いたその
ノウハウを現代的なア
プローチで掘り起こしていくのがレイラインハンティングです。聖地やそのネットワークであるレイラインには、太古の人た
ちが自然と共生し、自然の力を十二分に活かして生活の基盤にしていた原理が隠されています…
■「地域おこし」の前に、
まず「土地おこし」■
今回は伊豆急行肝いりの視察で、現地に詳しい社員の方々や郷土史家の案内を受けながら、個々の土地
の歴史と文化を掘り下
げて、さらにレイラインハンティングの手法を使って、方位や立地する土地の地理的バックボーンを調べて、その場所の本来
の意味や来歴を調べていった…
■7回目の「お水送り」■
思い返せば、一昨年のお水送りでは、神事を終えた翌日に田辺さんと翌年のことなど話しながら、何故
か原発の話題になっ
た。若狭は原発銀座だし、ぼくの生まれ育った茨城県の太平洋沿岸は東海村の原発や大洗の高速増殖実験炉などがあり、さら
には福島第二、第一も海岸続きで…
■『神なるオオカミ』■
文革の時代、内モンゴルの草原に下放された北京の知識青年陣陣(チェンジェン)。彼は、遊牧民の老
人から、草原の様々な しきたりがオオカミによってもたらされたことを教えられる…
■ファンダメンタリズム■
ファンダメンタリズムを理想に掲げて始まった運動が、様々な利害関係の渦の中で、最低の犯罪に堕し
てしまうのは、ソ連の
アフガン侵攻に抗して立ち上がったジハードが、古い宗教回帰のタリバンとなり、様々な勢力に都合よく利用されるアルカイ
ダとなってしまったのもまったく同じ構造だ…
■【聖地学講座】第14回
「聖地に呼ばれるため に」配信■
ミルチャ・エリアーデは『聖なる空間と時間』の中で、次のように記しています。「場所はけっして人
間が選択するものでは
ない。ただ単にそれは人間に『発見される』だけである。換言すれば、聖なる空間は、何らかの仕方で人間に『啓示され
る』…
■クリスマスは冬至祭■
古代ヨーロッパのゲルマン民族の間では「ユール」と呼ばれる冬至祭が行われていました。北欧では、
今でもクリスマスのこ とをユールと呼び、古来の祭りを伝えています…
■ まもなく人類は滅ぶ?
マヤ暦とマヤ族滅亡の意味■
マヤ族が恐れたのは、グレートサイクルの終わりの日ではなく、不吉なカトゥンでした。1カトゥンは
太陽暦に直すと約19
年で、面白いことに朔旦冬至で紹介した「章」に一致します。カトゥンは13種類あって、13カトゥンで一巡しますが、こ
のうち8番目のカトゥン「8アハウのカトゥン」が最悪のカトゥンとされ……
■ 聖地学講座 第11回
「伊勢神宮・天照大御神とは何か」配信■
今や春日大社といえば世界遺産に指定され、世界中から人を集める観光地になっています。その本社で
ある鹿島神宮も積極的 にアピールすればいいものを何故かアピールしません。それはなぜなのか…
■神道とイスラム--偶像
崇拝否定の二つの方向■
イスラム教では、神を象った偶像を作ってこれを崇拝することを禁じています。数年前にタリバンが
バーミヤンの大仏を破壊
したのは記憶に新しいところですが、古くから仏教とイスラム教がせめぎ合ってきた西域では……
■安心する場所■
高山の陣屋前から一之町、三之町にかけては観光客でごった返しているのに、そこから数ブロック離れ
た国分寺界隈は地元の
人だけで、当たり前の朝の風景を見せている。飛騨地方独特の黒い板と漆喰の壁に屋根が張り出した家が並び……
■故郷の力■
自分の故郷というのは、幼心に様々な光景が焼き付いているから、何が変わってしまったのかがよくわ
かる。子供の頃の商店
街は、明治から続く石造りの建物や大きな瓦屋根を乗せた木造の家が多かった。それが鉄筋コンクリートのビルやプレハブの
建物に置き換わり、長い年月の間に老朽化していった……
■江の島探索■
江の島は日本三大弁財天として有名だけれど、元々は、九州の宗像大社と同じ宗像三女神を奥津宮、中
津宮、辺津宮の三社で
祀る聖地だった。また、役行者をはじめ、泰澄、空海、木喰などの修験者が岩屋と呼ばれる海食洞窟に篭って修行したと伝え
られる……
■聖地に隠された記号
--東国三社--■
ほとんどの神社仏閣にはこうした方位を示す暗号が隠されている。それが日本神話のエピソードに符合
していたり、あるいは
史実に登場する怨霊を封じ込める意味があったり、あるいは風水と結びついた都市計画の一端を示していたりする……
■金環食とレイライン、東
京スカイツリー■
来年5月の金環食の観測域は、茨城県南部沿岸から太平洋沿岸を南西に、東京、静岡、名古屋、大阪、
高知、宮崎、鹿児島と
大きな都市を結んでいる。この金環食帯の中の居住人口は8千万人で、日本人の3人に二人は自宅に居ながらにして壮大な天
文ショーを観覧できる非常に稀な機会だ……
■東京スカイツリーとレイ
ライン■
前回のエントリーで紹介した『レイラインハンター』。ここには、全10章で10のエリアのエピソー
ドを紹介しているが、
これは、今までのレイラインハンティングの成果のほんの一部に過ぎない。できれば、これから日本編だけで15冊くらいは
出して行きたいと思っている(笑)……
■東京スカイツリーとレイ
ライン その2■
昨日は、東京スカイツリーが立地する場所が鹿島神宮-富士山ラインというレイライン上にあることを
紹介したが、少し掘り
下げると、また面白いことが見えてくる。東京スカイツリーは、2003年に東京都心の高層ビル密集による東京タワーの電
波障害を解消するために発足した……
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